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「研究における“問いを立てる”こと自体の立ち位置を問う機会になりました」
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TAKAMA SATOMI|高間さとみ|鳥取大学医学部・講師

​看護学、メンタルヘルス

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高間さんの研究ポスター写真

3QUESTIONSは鳥取大学の研究推進機構からのメールで知りました。案内を読んだときに「哲学的で本質的。おもしろい出会いがありそうだから、絶対に行きたい」と直感しました。仕事もあり幼い子もいて多忙ですが、それを凌駕するほどの、企画者の学問(問い学ぶこと)への情熱といらだちと愛情が伝わってきたのです。

 応募テーマにすごく迷い、「専門性が高くなくても、いつか研究したいというテーマでOK」というメッセージと、テーマ設定に幅があることに魅力を感じました。そこで「自分が人生で追いかけていきたい」ものに絞りました。それが「愛情研究」です。

 会場には2日間足を運びました。自分の発表にどんな付箋が貼られるか、ワクワクでした。まるで「自分の書いた手紙に、どんな返事が来ているかな?」そんな気持ちです。

大きく、3つ収穫がありました。

 

第一に、付箋から伝わってくる、書き手のパーソナリティです。印象的だった付箋に、親になったご自身とお子さんへの愛情についての思いが綴られたものがありました。書き手の人生に触れさせていただけた気がして、ひとが生きていくことと研究することと

第二に、「自分はこのテーマを深めていいのだ」という確信や使命感にも似た思いを抱けたことです。「自分が人生で追求したいテーマは、ひとりよがりかもしれない」という懸念に対して、掲示された問いが来場者と出逢い、対話を繰り広げているようで、研究を通してお返事をしたいという思いが新たになりました。

第三に、「世間の方たちの、研究テーマへの関心や認知」がわかったことです。仮説を立てる際、テーマについての人々の温度感を知り、テーマへ切り込む角度や目指す解像度合を見極めるための一つの場として3QUESTIONSは機能すると感じました。

 会場で行われたグループセッションにも参加しました。あの日のテーマは「循環」。私にとっては、問いを立てるということ自体の立ち位置について深く考える機会となり、今も考え続けています。

研究者や来場者さんの思考、思いと相まって織成される空間は、心地よい静の中にも情熱や好奇心が影響をうけながら、動きをまとっているように感じられました。来場者が多様で、障がいのある方や親子連れの方もおられました。次回も参加したいです。

の関係性や距離感が見えたように感じました。

 

「他の分野の人と出会って、視野が広がる。新しい研究が始まる予感があります」

もともと新しいことを見ると飛び込むチャレンジ精神が旺盛なタイプです。3QUESTIONSは広島大学からのメールで知り、よく分からないながらも「面白そうだな」と参加を決めました。多くの人に自分の研究を知ってもらえそうというのは魅力でしたし、感想をもらえるという期待もありました。


 3つの質問という形式は新鮮でした。学会発表とは違い、3つの回答でいかに研究を伝えるか、悩みました。プロにタイトルをブラッシュアップしてもらったのも良かったです(原題「ウサギ島で餌やりをすると、ウサギを苦しめる?」→本番「観光地で動物に餌やり。良いの?悪いの?」)。第三者に伝えるためには、こういう伝え方をすれば良いのかと勉強になりました。
 

 会場には、会期中の1日だけ訪問しました。所属を明かさずに5〜6名の研究者でテーマに沿って話し合うグループセッションにも参加しました。私が参加したセッションのテーマは「循環」「利他行動」。他の登壇者の方は、名前と研究テーマしかわからないので、発言の内容から「この方はどんな研究をしているのだろう?」と想像しながら対話するのは、まるで謎解きゲームのようで刺激的でした。今まで所属や肩書きによって相手の情報を得ていたことに改めて気づきました。そして、実際に看護学や犯罪学といった普段話すことのない研究分野の方のお話をお聞きすると、「他の分野だけれども、同じような議論がなされているとは知らなかった」「他の分野では、こんな視点で同じ課題を見ているのか!」といった発見があり視野が広がりました。また、会場では、付箋を通じていろんな感想が届きました。無記名なのでどんな人が書いたか分からないようになっていましたが、特に印象的だったのは、「そんな調査の結果をぜひ見てみたいです。興味深いです。」という書き込みです。専門外の方にはどのように受け止められるのか気になっていましたが、興味を持ってもらえたことがとても嬉しかったですし、皆さん真剣に考えてくれたのが分かったので、それも嬉しかったです。小学生らしき子の筆跡の付箋もあって、あの場にちびっこたちが来てくれたこと自体が嬉しかったですね。 本当に参加してよかったです。

 

他の研究者仲間にも感想を聞かれたんですが、「ぜひ行くべき!」と強く推したい。この3QUESTIONSは研究者にとってまたとない機会です。自分の専門分野で閉じがちな研究者が、他の分野の人と出会うことで視野が広がったり、新しい研究が始まったりする。そんな予感があります。 

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OGURA ASAMI|小倉 亜紗美|呉工業高等専門学校・准教授

​環境平和学、多文化共生

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小倉さんの研究ポスター写真

「ただの交流イベントではない。大学のあり方を変えるための挑戦だと気づきました」
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MORITA MIZUKI|森田瑞樹|岡山大学医学部・教授

​生体情報、検査技術科学

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森田さんの研究ポスター写真

私は、所属が複数あることもあり、複数の異なる分野の研究をしています。共通するのは、人の役に立つ研究をしたいという思いです。今回の3QUESTIONSは大学からの一斉メールで知り、「これはおもしろそうだ」と感じ、応募しようと思いました。

学生のころ、他分野の人と話す機会をたびたび得ては楽しんでいました。しかし教員になってからは、目の前の業務に追われてばかりだったこと、率直に話せる機会が減っていたことで、今回の3QUESTIONSの機会は貴重に感じました。ただ、どのテーマで応募するかが決めきらず、また忙しい時期だし、見送ろうかな……と思っていたときに、あらためて募集案内にあった企画趣旨を読み直したのです。


「学術界および学術行政は、短期的な視野での実施になりがち(中略)今日、学問の灯火を単独の大学で守るのは難しい。全国規模で学術を掘り起こす必要がある」……この言葉に、私は強く共感しました。私自身のもっていた大学に対する問題意識と重なったからです。これはただの交流イベントではなく、大学のあり方を変えるための挑戦なのだから、参加しないといけない。


そうして提出したテーマが「“ぽつんと一町村”の元気な暮らしを支えるニッポンの技術」でした。実は、これは研究テーマ以前の、まだアイディアの段階です。人口減少時代の地域での暮らしを考える上で、アイディアをぶつける思考実験の場として3QUESTIONSを利用しました。工学や法学といった、違う分野の人の意見を聞いてみたかったんです。うれしかったのは「初めて地域の問題に気づいた」という付箋です。また、「地域の問題を解決するために、別の学問分野ではこんな方法も考えられている」という横展開で教えてくれるコメントも参考になりました。


もちろん私も、他の方の発表に付箋を貼りましたよ。あえて、門外漢である別の分野の研究ばかりを選びました。
当日のグループセッションも参加しました。ものすごくおもしろかったです。文系の方、特に美学の研究者の方から、理系や医療系の人からは絶対に出てこない意見が聞けたのが印象的に残っています。学生や地域のために大学は何ができるかという話題に多くの意見やアイディアが出ました。非常に刺激を受けました。
 3QUESTIONSのように、大学を超えたつながりは、少子化の時代を生きる学生の教育のためにも必要だと思います。他大学と組むきっかけになって、学生に豊かな経験をさせてあげたいですね。

 

参考: 第一回 中国地区編3Questionsのデータ

この企画の案内をもらって⼀読したあと、
すぐにポスターの応募を決断しましたか?

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その理由

(即決した理由)
● 周囲に研究内容について相談できる相手がいないから。

● 自分では思いつかないつながりが持てたり、発見ができたらとワクワクしたからです

● 広く知ってもらうチャンスだと思った

● 哲学的で本質的と感じる直感がありました。おもしろそうなひとが集まりそうで、たのしそうだからです(^^♪わくわくドキドキ好奇心♪

● 学術研究としては自分自身が成果を全く出していない内容だったので悩みました。もし内容的に不適格であれば、全く異なる、院生時代からの不思議(言語学分野)で再応募したいと思います。

● アドバイスをもらいたいので。

● さまざまな方からの意見が頂きたかったため

● This is a new project: I'd like feedback.

● 他の研究分野の方とフランクにディスカッションできそうだったから。

● 研究として成り立つか分からないテーマについて、どうしたら成り立つようになるのか考えていてもなかなか出てこなかったので、知見を広めるためにとてもいい機会だと感じたため。

● 多分野、多職種との交流に興味があるため

● 面白そうな企画だったから

● このテーマはずっと1人だけで考えてきたものの,研究としては出す場がなかった。案内を見て,このイベントが適しているかもしれないと思ったので。

● 学際的なコラボには以前より興味があったので良き機会かと思った
● 楽しそうだったから!

● これまで他分野の方との交流で新たな気づきを得られた経験があるため

● 異なる分野の人の考えを聞いてみたいと思ったためですため

● 匿名な形での発表が面白そうだったから。

● 異なる視点からのアドバイスが研究を推進するので

● A good opportunity to introduce my research interests and find people with common interests but from other fields!

(少し悩んだ)(悩んだ)

■ 企画の趣旨が理解しにくかったから

■ 日程がタイトであったため(人手不足で超多忙)

■ まだ公開できる内容が少ないから

■ 思いの外記入する文字数が多かったため、何度も挫折しそうになった。

■ 趣旨がよくわからなかったから

研究テーマ掲示に期待することは?

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